

Pity kitty high school
午後の授業の為、体育館に集まったモンスター科の生徒達。
だが待てども待てども学園長である愛沢・ぺてぃ・らびぃは現れません。
そこでぱふぃの提案により授業内のペアに分かれ、 学校内を探索することになりました。
このページで探索するのは「プール」です。
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🌈「わ〜!れん!プールなのら〜!」
入るなりすぐさま、プールサイドに駆け寄る甘雨じぇりぃ。
底を見ようと顔をのぞかせ、ゆらめく水面に夢中な彼女の背中を、大きな尻尾がくすぐった。
🐉「ンなに走っとズッ転げるぞ〜!背中、押してやろうか?」
🌈「ぎゃ!やめてほしいのら〜!くすぐったいのら!
れんはプール好きなのら?」
🐉「ン〜〜まぁまぁだな!
元々海に囲まれて暮らしてた俺様にプールは狭すぎるぜ!じぇりぃは泳げんのかよ?」
🌈「まぁれんはおっき〜から、プールじゃ狭いのもなんとなく分かるのら。
じゃあれんはおっき〜海が好きなのら?
じぇりぃは…う〜ん…泳げないこともないけろ…
水とゆ〜ご〜?とかしちゃいそうで怖いのら……」
そう言うと一転、楽しげな顔から不安そうに俯いた。
🐉「……別に、好きでも嫌いでもねェな。
でも俺様海鮮大好物だから海には大感謝ラヴアンドキッスって感じだぜ!!なはは!
なるほどなァ〜?ミックスジュースみたいになっちゃうってか!
それはそれで中々美味そ〜だなァ!マ、なんかあったらこの恋様が助けてやんよ!」
🌈「へ〜そうなのら! 海鮮も好きなのらね、れんは!
そ〜いえば、こ〜かくるい?が好きなんらっけ…?エビとかカニとか…ミジンコも好きなのら?
う〜違くはないけろ、なんかイヤ〜な言い方なのら… 美味そ…?」
🐉「おう〜大好きだぜ!俺様と同学年にオリヴァーってクソキモブスいるだろ?
アイツの足も外はパリパリ中はプリプリで美味いンだぜ!今度じぇりぃにも食わしてやろ〜か?」
🌈「クソキモブスではないと思うけろ、4ねんせいのおりゔぁーなら知ってるのら!
ん〜、じぇりぃはあんまり知り合いは食べたくないのら…エンリョしておくのら…」
……ぎゃ!マ、マジで落ちるのら!ミックスジュースにはならないのら〜!」」
大口を開けて笑う彼の顔を見上げてとりとめのない話を続けるも、
彼の尻尾はぐいぐいと甘雨じぇりぃを押し出している。それもプールの方向に。
🐉「わはは!!俺様ン為にミックスジュースになってくれよぅ〜って、ンだァ〜この音?」
すると突然、スピーカーから耳をつんざくような大音量で
「こんにちは〜〜っ!リンベルだよー!へへっ、ねえこれ、ほんとにみんなに聞こえてるのかな?アムもなにかしゃべってみてよー!」「うえっ!?ええっと...ええっと…ア、アム…だけど......うう゛...」
…と声が聞こえてくる。2人はどうやら放送室にいるようだ。
その大音量に反応した竜宮城恋は、顔を顰めて辺りを見渡した。
振り向いた拍子に大きな尻尾が甘雨じぇりぃの背中にドン!とあたり、勢いよく落ちてしまったが。
🌈「…!?わ、落ち…!?」

「おもしろいねぇ、これは音楽?」
Ring-Bellの声のあとにカチャカチャと機材をいじっているであろう音が聞こえると、
突然その爆音でぴか高の校歌が流れ始め、 「ぎゃあー!うるさい!」彼女がそう言って、BGMは停止される。
「あ~…そうだ、学園長〜もう午後の授業の時間とっくにすぎて…ます…」
それを最後に、スピーカーは沈黙した。
🐉「オ!ミックスジュースになる気になったのな!俺様丁度喉乾いてたから超〜助かるぜ!
…これ、じぇりぃが死んぢまってたら学園長に怒られっかなァ〜?
あの人、困っちまうかなァ〜?いひひ」
自らの尻尾で落としたことに気づいていないのか
しゃがんでプールを覗き込みニタニタと笑みを浮かべる彼に、
上手いこと浮いたと思えばバタバタと暴れ溺れそうなじぇりぃは必死に助けを求める。
🌈「…ぷはっ!ち、ちがうのら!れんがしっぽで…ぁ!お、溺れるのr…ぶくぶく」
🐉「ンだよ、元気いっぱいじゃねェか!ハキハキ喋るか、
ミックスジュースになるかどっちかにしろよォ〜!
……オマエ、泳げねェ〜のか?」
しゃがんだまま頬ずえをついて、溺れゆく彼女を楽しげにを鑑賞しながら、
退屈そうにパタパタと尻尾が地面を叩く。
🌈「…ぷは!あ、そういえばちょっとだけなら泳げたのら…
あとさっきなんかフキンシン?なこと言ったのら?ジョーダンでもやめて欲しいのら!
れんがプールにじぇりぃのこと落としたのら〜!…でも助けて欲しいのら、お水怖いのら……!」
どうやら泳ぎ方を思い出したのか拙い動きで泳ぎ始めるも、
液状の体が水に溶けてしまうこともあるだろう。
先ほど自らを突き落としたその尻尾で引き上げてくれればいいのにとでも言うような視線で訴えかける。
🐉「ァ〜?言ってねェ〜し落としてもねェ〜よ!生意気なヤツ!
助けて欲しい〜〜??はァ〜世話のかかる赤チャンだぜまったくよォ!この恋様を敬い讃えろよな〜」
竜宮城はその"お願い"を待っていたように、大きなため息と共にばちゃん!
と尻尾を向けて、甘雨はよいしょよいしょと登り始めた。
🌈「むぅ!コレは絶対れんが悪いのら〜!
でもなんかおっきい音も聞こえたような気がするのら…?!れん!ありがと〜なのら♪」
🐉「はァ〜?るせ〜ガキだな、何度も言わせんな。俺様が悪いワケねェだろ。」
次の瞬間、ギュイーン!とカッコイイギターから始まる、ロックバンドの曲だろうか。
先程とは違い丁度いい音量でBGMが放送され始めた。
そう戸惑っていると、きんこんかんこん…と授業終了のチャイムが鳴った。