

Pity kitty high school
午後の授業の為、体育館に集まったモンスター科の生徒達。
だが待てども待てども学園長である愛沢・ぺてぃ・らびぃは現れません。
そこでぱふぃの提案により授業内のペアに分かれ、 学校内を探索することになりました。
このページで探索するのは「理科室」です。
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ホルマリンがたくさん詰め込まれた棚、水道のついた長机、意味不明な数式の書かれた黒板…。
カーテンが閉められ少し暗いこの部屋に、落ち込んだ面持ちで入室したのは牛森海だった。
🍯「り、理科室って…怖いものたくさんあって、ちょっと緊張する…。
ごめんねてぃてぃくん、いつもうちなんかとこんな…、」
🍗「理科室…。確かに怖い雰囲気ですよね。海ちゃんが弱虫なの知ってるのに理科室だなんて。
全く…俺はこちらを見ますからね、何かあったらすぐ教えて。」
彼女はじめじめとした空気を滲み出しながら、よたよた黒板へ向かう。
彼は少し呆れた様子を見せつつ、警戒して、長机に長い爪を撫でるように動かし。
意味不明だったその言葉の羅列は、
台形だか円形だか円周率だかの公式が同じ場所に重ねて書いてあるようだ。
日直の欄には名前ではなく、へのへのもへじがピンクのチョークで書かれている。
ほんのすこしなら脇にスペースがあり、何か書くこともできそうだ。
そしてもう一方、黒く磨かれた長机。
その一角にはノートやペンが乱雑に広げられている。
何やら文字が書いてあるようだが、まるで画質が荒くなったように
がぴがぴで解読不可能の文字が広がるだけだ。
先程の黒板のように重ね書きされているのかすらも分からないほどの画質、
例えるならば144pというかんじだ。
🍗「う〜ん……。正直何も分からないなあ〜…。ひたすら不気味。
……こういうの嫌いじゃないけれどね。海ちゃん,そちらはどうなの?何か分かったりしました?」
🍯「…………えっ、あ…。えっと、何もない…かも?
数学の公式がたくさん書かれてるだけ、かな。
円周率とか、台形の公式とか。何でだろ、分かんないし不気味…。」
牛森海は黒板のすみっこにチョークで龍の落書きをしていたが、声をかけられればさっとそれを隠した。
Andromeda TiTiはというと、こういう時でさえ笑えないのね…
と眉間に皺を寄せ、触覚部分がピクピク動いていた。
🍗「……。理科室とは言え何か…妙な感じがしますね〜…早く抜け出したい、
むしゃくしゃするのたくさん食べたくなっちゃうのに。棚…変なのばかりですね。」
色々とりあえず手に取ってみたり、食べれるのかな?とふと考えたりもして。
海の行動を頭の隅に留めておきながらも、ホルマリンがびっしりと並んだ棚に手を伸ばした。
うすく緑かかったホルマリン漬けの瓶が所狭しと詰め込まれた棚。
…?
そのひとつ、微かに水面が揺れている?
そんなことを確認すればその途端瓶は次第に強く大きく震え出した。
まるでまだ生を主張するように、ガタガタと地団駄を踏んではついに倒れ棚から勢いよく落ちてしまった。
中に入っていたのは…複数の動物を掛け合わせたような、なにか。
猫の耳があると思えば片側は鹿のような角に足は明らかにウサギのものだ。
落下して緑の羊水に包まれ もぞもぞと蠢いたものの、その後は泣き止んだように緩やかに活動を停止した。
…腐ったチーズのような酷い悪臭だ。
🍗「ッ……!?!正直ちょっとかわいいかしらねこれ……でもぐろっきーずなのでしょうか…!?!
海ちゃん、ちょっとこちらへいらしてくれる??妙な原因がわかったかもしれないのです。」
🍯「……?てぃてぃくん、何か見つけ……、
…わっ!? な、な、何これ…っ、ぐろっきーずってこんなのだったっけ!?」
その大きな目を更に見開いて、彼は恐る恐る近づいていく。
対照的に、彼女は後退りをしたが。

🍗「……もう何ともないのか…?動かなさそうな気もするし。
とりあえず気を緩めて大丈夫そうですね。海ちゃんは大丈夫ですか??
ハア〜〜いちいち疲れちゃいますね〜…」
冷や汗をふわふわのハンカチで拭き取るとため息をついた後、
堕ちたそれをよく見ようとしゃがみこむ。
突然、スピーカーから耳をつんざくような大音量で
「こんにちは〜〜っ!リンベルだよー!へへっ、ねえこれ、ほんとにみんなに聞こえてるのかな?アムもなにかしゃべってみてよー!」「うえっ!?ええっと…ええっと…ア、アム…だけど……うう゛…」
…と声が聞こえてくる。2人はどうやら放送室にいるようだ。
「おもしろいねぇ、これは音楽?」
Ring-Bellの声のあとにカチャカチャと機材をいじっているであろう音が聞こえると、
突然その爆音でぴか高の校歌が流れ始め、 「ぎゃあー!うるさい!」彼女がそう言って、BGMは停止される。
「あ~…そうだ、学園長〜もう午後の授業の時間とっくにすぎて…ます…」
それを最後に、スピーカーは沈黙した。
🍯「えと…うちは平気だよ。てぃてぃくんも大丈……
っ、ひっ!?!!?し、心霊現象…じゃない!機材使ったのかな…。も〜、心臓に悪いよ…」
🍗「!?!?! ビックリした〜〜ッッ…!急に何事でしょうか…??
りんべるちゃんに音楽……何もかも怪しく思えてくる…
常に警戒しておきましょう、オレは大丈夫ですから。」
2人は突如流れた放送と爆音の校歌にびく!!と肩を跳ねさせては怯えた様子で辺りを見回す。
無理も無い、随分気味の悪いものを見てしまったのだから。
そう戸惑っていると、きんこんかんこん…と授業終了のチャイムが鳴った。