

Pity kitty high school

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▷File6.
▷Ring-Bell
こんにちは、こんばんは、ベルです!
そしてピンチです。
きょう学校が終わったらじぇりぃと、あととわりとシール帳交換こしようねってなって、
二人は校庭のブランコで待ち合わせで遊んでたの…
そしたら一番高いところでぶんってして、わたしのお靴が家出をしちゃいました。
エナメルでつやつやでかわいーいお気に入りのお靴。
どこいったの!って呼んでもへんじがかえってきません!たいへんだ!
靴下を汚したらだめかなっておもってけんけんぱで探すけど、
歩きにくくって両足でかけだす。
いしがじゃりじゃりくっついていやなかんじ。くすぐったいかも?
きらっ!て草むらの向こう、きれーなかだんの中にわたしのお靴は着地していた。
チューリップが数本ぐちゃってなっちゃってごめんなさいだね。
リリィがいたら治せたかな?お花なおしてるのは見たことないか。
でもリリィっていないね。死んじゃったもん。
前にとわりが、死ぬのってどんなだったっけ?って聞いてきた。
ベルもなんかミラクルで動いてるっぽいしハッキリこう!って言えないよ。
ゾンビのモンスターみんなそうなんじゃないかな。
とわり以外会ったことないけど、多分アーミーにはいるの?知らなぁい。
でも、お友達と会えなくなるのってすごくかなしいな、さみしい。
もーリリィに、きれいねえって撫でてもらえないのってさみしい!
でもお靴も見つけたとこだしはき直して、待ち合わせのブランコに戻って…
かち!
なんか鳴った。
それで鳴ったほうみたら、花壇があいてて、地下へ伸びる階段がそこにあった。
☎️「…なにこれえ!」
ひみつきちだ…?ひみつきちだ!
知ってる!作戦本部とか、会議とか、そーゆーのやるところかも!ベル知ってるから!
あ、でも待って。前学校がおそわれた時こんなの使って教室までにげたね。それかも。なんだ。
🍥「あ!お二人ともはやーいですね。でも今回は激アツですよ!
パン祭りのシールが28まいあります。あと2枚でお皿と引き換えれて、
それにモンスターパンのおまけがいっぱいあります!
これとかレート高いですよ、腎臓右左セット揃いました」
🌈「とわりったら気合い入ってるのらね〜、
じぇりぃはお水入ってるめんだこさんのシールをもってきたのら!
タイルシールもあるのらよ。ふふん。
のら…?べる、そんなとこで何してるのら?」
☎️「なんかね、かだんにひみつきち見つけたの!探検しよっ!シールきちでやろ!」
そうやってゆったら、ふたりとも目を輝かせて、ひみつきち!?ってなっちゃった!
🍥「ま、入っちゃダメなとこだったらけーぷあうとって書くでしょう。ないので多分平気です!いきましょう」
🌈「ダメだったらおねーさんのじぇりぃがあやまるのら。おねーさんだから。」
それじゃ、みつけたわたしがいちばんね!って階段にとびこむ。
ひんやり冷気が伝わってきてどきどきしながら階段をおりていく、
なんかわくわくするねー!って二人にゆったら、
じぇりぃがしー!🤫ってポーズをした。
🌈「…この先、誰かいるのら。
カタカタって音がする…キーボードなのら?」
キーボード。学園長かな?
お仕事してるんだったら、確かにうるさくするとダメだね!
そしたらこんどはオンミツ忍者ごっこだ。
そうやって暗い階段を降りていく。
たどりついたのは、おもおもしー扉だった!
🍥「おお、秘密基地に相応しいカッコ良さ…
なんでしょうこれ。気象予報センターとかかな」
ドアノブや取手のかわりにまあるいハンドルみたいのがかわりにくっついてる。
試しに握ってみたら埃かぶっててばっちぃ!
でも開ける必要もなかったみたいで、ほんのちょっともう開いてた。
ばっちぃ損!ゾンビだけに。
🌈「頑丈そうだけどここから音してるのら…のら?何か扉に書いてるのらね」
『NO MONSTERS
GO BACK HOME ‼︎』
☎️「おうちに帰れ…?だって。
やっぱり入ったらダメなとこかな?でもさでもさ、もう誰かいるんでしょ?
みたいよう!みたいみたいみたいーっ!ベルたちのひみつきちにしたいーっ!!
そうだ、交換こしてもらおーよ!」
🍥「べるちゃん、忍者ですよ。しーっ。でも秘密基地はほしーですよね…
ジャングルジムだと秘密じゃないし。滑り台はありますが!
シールあげてお願いするのはどーですか?
レアなやつこれとかどーですか、まつげ。まつげのシール…」
それいいね!ベルは何にしようかな、これは?どうろのひょうしきのステッカーあるよ。
これは一回とまろうねの赤で、こっちはおてて繋ごうねの青。
ぺりってシール帳から酔っ払いの黄色をはがしたら、ガタン!って音がした。
おじゃましちゃったかな?でもすぐそこに誰かいるんだ。
ついそーっとのぞきこむ。3人で。
うすぐらーい部屋に、モニターがいっぱい。監視カメラの映像なの?
よくきけばなんか音楽が鳴ってる。
女の子がかわいく歌ってて、あーこれベルしってる!
日曜の朝に流れてるきょくだね。しってるから!
🌈「コーヒー…と、エナドリの匂い?のら?
でもなんか…うぇ…ちょっとくさいのら…
お風呂入ってないみたいな匂いのお部屋のらね…
秘密基地には向かないかも……」
じぇりぃがゆってたみたいなカタカタ音?はいま鳴ってなくって、
あそこに座ってたひとが席をはなれたんだろうな。
だってコーヒーがまだ湯気たってるもん。
もうちょっとみたいなあ、恐る恐る顔だして…
?「そこに誰かいんのか?」
ぴゃあ!!びっくりした!!
飛び跳ねて頭うっちゃって、受話器ががちゃーんて落ちちゃった。
☎️「のわ!!」
🍥「だいじょーぶですかべるちゃん!」
🌈「拾うのら拾うのら!
元おいてあっととこ置くのら。」
?「…Ring-Bellか。それに星砕と甘雨…
おおかた忍び込んできたんだろ。
わかってんのか?モンスターは立ち入り禁止だぞ」
わたしたちのおなまえ知ってる。
☎️「あなただぁれ?
ベル会った人はみんな真似っこできるけど、その声しらなーい…
なんでベル達のこと知ってるの?」
?「なんでって。そりゃ俺がお前達のこと知ってるからに決まってんだろ。
…ああそう、自己紹介はまだだったな」
🛜「俺は、愛沢・てでぃ・らびぃ。
お前らの知る愛沢と同じ製造元のスーパー不登校。
そこ2人と同じ一年。
ヨロシクなあ、同級生ども」

ちょびっと掠れた声。あんまりお喋りしてかったのかな?
それに知らないクラスメイト…ふとーこー?
🌈「そうなのらね!じぇりぃは甘雨じぇりぃなのらー。
のら?知ってるならこっちからは要らないのら?
でもじぇりぃは初めてご挨拶するからするのら!
さんねんぴか高にいてまだ知らない人がいたのらねーえ」
🛜「そーさ、そのくせ出席日数も単位も足りないもんだから
留年しまくりで永遠にここにいるんだけどな。
…でもお前ら、まだ俺と会ったことにはしゃいでペラペラ触れ回ったりしないでくれよ。
特にあのクソババアの前では。
俺ったらお前らのことず〜〜っと監視してんだぜ?
分かるからな」
ベル達をゆびさして、てでぃはウインクをした。
学園長もおんなじなのかはみたことないけど、それってぱふぃとそっくりだった。
学園長もウインクするのかな。でもその後カップを啜るのは似てなかったね。
ベルはね、真似っこするからみんながどうやって話すかとか見るんだよ。
だから愛沢ってのはほんとなんだろうなー!
おすみつき!墨がついてたら汚れちゃってやだね。
🍥「そしたらぱふぃさんの、弟…?さんですか?
みたところ学園長のほうが似ている様にお見受けしますけれど」
🛜「ハ、そりゃ最高だよどうも。こんなに良い気分なのは口内炎を噛み潰した時以来だよ。
さて3…2…1……」
🍥「?
なにをカウントして…」
ジリリリリリ!
着信音だ。だれのに?だれからの?
ベルじゃないよ!自分の携帯にも、ベルの受話器にもきてない!
🛜「学園長からの呼び出しだ。
といってもそれは今回アンドロメダからの電話だが…
ここ放送入んねーからな。とにかくお前らもう出ろ。
もー次のモニタリングにはいんだよ、シール帳忘れんな?これ俺にはいらねーから」
てでぃの手にはキラキラの…モンスターパンのまつげシール!
いいな!さっきとわりが持ってたけど、あれほんとに出ないんだよ!
半ば追い出される様にてでぃのひみつきちから飛び出して、ばたん!扉がしまって鍵がかかる。
🛜「またすぐな」
🌈「のらのらのら…不思議なコだったのらね。
あ!じぇりぃがお電話きてたのら…ちょっとごめんなのら2人とも。
もしもし?じぇりぃなのらーっお待たせしましたのら」
🍗『じぇりぃちゃん!繋がって良かったです。今もう寮ですか?緊急出動の要請があったんです。放送で俺たちの名前が呼ばれましたよ。どこか聞こえないところにいらっしゃるのかしらって、今集まった教室で心配してたところなんです』
🌈「のら!?ほんとに言ってた通り放送聞こえないんらね…」
🍗『言っていた?どなたのことでしょうか…』
🌈「ほえっ…たまたま!イヤホンしてて聞いてなかったのらみたいね!!
それじゃすぐそっちに行くのら、またねえーのら」
よーせー!
多分思いついたほうじゃなくって、呼ばれるやつのほうのようせいだね。
🍥「またあれですか…
どうかご無事で、みんなが無事に帰れるといいんですけど。
帰ってきたらシール帳みせっこしましょうね」
☎️「んむ…そうだね。みんないっしょにおてて繋いで帰ってきてね、
キラキラのシールとっといてね、それから、それから…」
勢い任せに口を動かしたものだから言葉がわかんなくなっちゃった。
なんて言おう?ベルはなんて言おう。みんなならなんて言うかな?
困ってじぇりぃにぎゅって抱きついた。
さみしいのはいや。
みんなと楽しく遊べないのもいや。
ぱふぃとぎゅーってちゅーってできないのも、
メイがお話しようとしてももっと静かになっちゃったのもいや。
リリィが撫でてくれないのがいや。
🌈「任せてのら!げんきに無事に帰るのらよ、
じぇりぃはこれでもさんねんせいのおねーさんらからね。
2人は一緒に寮に帰るのら、寮の食堂で晩ご飯が終わっちゃうまでには帰るからねのら」
にこ!っていつものあひる口が笑いかけて、ベル達を追い越して階段をあがっていく。
ばいばいして手を振った、じぇりぃもてぃてぃも無事だといいな。いいのにな。
▷甘雨じぇりぃ
シール帳を学校のカバンに詰め込んで、さっき出てきたばかりの教室へ戻る。
電話の通りもうみんな集まってて、なんか申し訳ないのら!
🌈「ごめんなのら〜〜っ!ちょっと気づかなくって…も
うみんな準備できてるのら?お着替え急ぐからまってほしいのら!」
🍗「じぇりぃちゃん!大丈夫ですよ。これから詳細をお話してくださるみたいです。
俺達もまだ制服ですし、お水が要りますか?」
🦇「なはは、じぇりぃビリっけつ!オレ今回は最後じゃなかったもーん。
えーでもなんか2連続呼ばれんの何気オレで初じゃね?期待してのことだったらちょっとめんどいなー」
🪞「さぁ…ビタせんぱいはパタパタお空飛べてかわいいから、
期待もされるんじゃないかなあ。がんばりましょーね」
よかったのら、遅刻ってワケじゃなさそーなのら!
秘密基地にお邪魔したのもほんの数分だったのらもんねえ。
🦇「で、もうお馴染みになりつつあるコレだけど。
こんなに生徒が死んでんだから、そろそろどうにかしてもいい気するけどねー。
自分の娘も教え子も死んどいてフツーまだやるぅ?」
🧬『残念ながらな。
最高責任者は無論わたしだが、私情より我々の安寧の為なのだビタ。』
学園長の声!でもここにいないのら、
かわりに黒板のモニターに先生が映ってるのら!
🧬『多忙につきこちらから失礼する。
貴殿らの授業と並行しての運営は非常にハードスケジュールなのだ、
今回の要請は私も現場へ同行する手筈だったが…
常に遠隔モニターで監視することにより少しでも生存率を上げる試みだ。
これまでより更なるサポートを期待していろ』
🦇「アハハ…そりゃどうなることやら。
行った時サポートされてるなんて感じなかったけどそう言うならそーなんだろうね!
よろしくおねがいしまーすっ」
かんし…モニタリング。
てでぃもさっきそんな事言ってたのらね。愛沢ってゆってたし。
そゆのが趣味なお家らのかな。
🪞「それで。わたしたちどこに向かえばいいのですか?
お喋りがしたくって呼ばれたワケじゃないでしょうお。
…とっても失礼ながら、わたしもこれまでの要請において、サポートが十分だったとは思えません。
おかげさまでずいぶんさみしいよう」
学園長が一拍おいて、モニターが切り替わる。
🧬『前回の要請にて確認された変異種だが。
その特徴と合致する、キメラと形容されるようなぐろっきーずが
大型人類居住区で複数回報告されている。
貴殿らの任務は該当地区での行方不明者の捜索、及びぐろっきーずの調査を命ずる』
🌈「ほええ…きめらしゅ。…新しい犬種だったりはしないのら?ふわふわのワンちゃんだったり」
🪞「残念ながら、言葉通りの意味だろうねえ。
前にコロニーが襲撃された時やられたところで、みつかったってことかしら」
🍗「主に民間の方が巻き込まれているのですね。それは大変…ですけれど。
今までと違って、安全は一切確保されていないロケーションへということ…?
いよいよ軍も切羽詰まってきたようで」
のら…なんか3人がちょっとピリついてるのら。 じぇりぃがのほほんしてるだけのら!?
怖いのもあるけろ、いままで説明よりずっと危険な任務をやらされて、怒れる方がいいのらねきっと。
じぇりぃは…怒るってより、悲しさに気を取られてたから、もっとげんきでいなきゃって…
🧬『ここが何のための施設か、 何故貴殿らモンスターはここにいるのか。
存在意義を問いただせ。 15分後戦闘服に着替え昇降口へ。 以上』
学園長はぷつりと通信を切断して、 じぇりぃたちは静かな教室にたちつくす。
もうよにん。 たかがなんて言わないで欲しい、
よにんもクラスメイトが死んでるのら。
🌈「さ、お着替えいこー!なのら! だいじょーぶっ
じぇりぃがいるから みんなへーきの勝ちまくりなのらよ。ビビってねーからのら。
でしょでしょ?」
ちょびっと声が裏返ったけど、 ここにいる3人はわかってくれるらろーから平気なのら。
🦇「…いーや?前回も無事に戻ってるビタくんがいんだよ?
MVPはぜったいオレだねー、じぇりぃは後ろでのらのらしてたらいーんだよ!」
🪞「…頼もしいねえ。わたし、この中でいちばん年下だから甘えちゃおっかな。
お願いしますねえせんぱいたち」
🍗「そしたら俺は一番年上ですから、全員まとめて守っちゃいますよ。
さ、ロッカーへ行きましょうか。急がなくっちゃ」
それからは爆速でお着替えして、バスにとびこんで。
ビタはのんびりしすぎて置いてかれそーになったけろびゅーんってお空飛んで窓から乗ったのら。
それで急いでたから席でメイク直ししてるじぇりぃのチークが割れちゃって!
ぷんぷんのらけど、飴ちゃんもらってゆるしたのら。
…さて、そうやって揺られ揺られて小2時間ほど。
コロニーの端っこにあるマンモス団地でバスはとまって、
それぞれのけーたいがぴるるってなったのら。
🧬『無事到着した様だな。 そこが今回の調査対象の団地だ。
私は支給の携帯よりサポートに当たる、
要救護者発見の際は私がその地点へ自立担架ロボを送る為素早い探索を心がけろ』
🍗「ひ、久々の任務ですね。 ……そろそろ動きましょうか、
まずは周りを軽く見てから行動しましょうね。」
てぃてぃはもー気を張って集中しててえらいのらね。
は、そー見えてるだけで怖がってたらどうしようなのら…?ちらりと見ても笑顔はなくって。のら。
🪞「そうだね、油断しないで行こうねえ。 みんな、携帯端末はちゃんと持ってるう?
総員いるね?よしよぉし。…って言ってもどこから探そうか。
行方不明者捜索が今回の目的なんでしょお。
ちゃんと見付けないとね、低いとこはよろしくう…
…主目的はあの大きい団地二棟の捜索、かしらあ?
あっちの小さな公園とかも、見れば収穫はあるかもしれないけど……」
🦇「迷ってても仕方ないし、とりあえず行こう! ここは直感でA棟!」
🌈「…うぅ〜崩れてるし出そ〜でちょっとこわいけろ、みんなでがんばるのら!
じぇ、じぇりぃはビタについていくのらっ 待つのら〜っ!」
大きな団地がふたつずずん!と立ってるのら。
けろ、Aのほうはぽっきりウエハースを折ったよーに崩れてBのほーに寄りかかってて
ちょっと思ってたよりこわーいのら…
エレベーターをみてみるけろ、動いてるワケなくて。13かいまであるみたい?
たかーいのらね!寮もそのくらいあったらかっこいいのら。
🦇「コレ、一部屋ずつ開けてくのォ? 流石にむりあるよちょーキツいじゃん。」
うひょーなんてビタが言ってるのら。
🌈「でも任務サボったらさすがのがくえんちょーもぷんぷんのらよ!
頑張るしかないのら…でもやっぱキツいのらね、うへえー」
🍗「では…俺はB棟へ向かいますね。
みなさまお気をつけて、何かあれば携帯から教えてください。
今回こそは大丈夫であってほしいですから。」
てぃてぃが思い詰めた顔して、ぷいっとスタスタ歩いてく。
ほええ、絶対あぶないのら!ホラー映画だと1人で動くのはあぶなーいのサインのらよ!
🪞「あらら…ちょっと張り詰めすぎなのかも。頑張り屋さんなのね。
せんぱいたち、わたしはあっちに着いていってもいいですか?何事もないように」
しめるが付いてくなら1000人力なのら!
おっきいし、力持ちだし、ギン!て見たら勝てるし、あとおっきいし!
🦇「気をつけてね〜!探し終わったら公園に集合しよ!」
ふたりで手を振って見送る、2人もこっちも無事だといいのらけど。
🦇「コイツらに警戒してもらって気になるところは〜…
あそことあっちかな!じぇりぃ、どっちから行く?」
🌈「ん〜…なんか上の部屋は音がするから…近くて静かで安全そうなほーがいいのら〜」
とことことこ。 エレベーターがないってことは徒歩で階段を登っていくワケで、
ちょびっとずつ上がってく知らない場所の景色にちょっとドキドキするよーで。
きっとここで暮らしてた人の傘立てとか三輪車とかが廊下においてあって、
やっぱりちょびっと怖くなるのら。
🦇「あ!見てあの部屋、扉がめきゃめきゃ!見てみよーぜっ、じぇりぃビビってんなよー!」
🌈「のら!!へーきなのらよう、…でもそんなにゆーならビタが開けていいのらからね!!」
そーやって開けたのは409号室。ビタがばーん!って扉を蹴って開けちゃったのら。
お部屋は…きれいで、平凡で、普通のおうち。
徴兵を促す広告のチラシとか、非常時用のアラームとか、
綺麗に整頓されたキッチンと無造作に投げ出された紫のランドセル、
当たり前のいつもを過ごしてたであろーお部屋。
拾って背負ってみて、今度の登校はランドセルでしてみよーかななのら?
冷蔵庫にはきっと持ってた子が描いたんじゃないかなって絵まで貼ってあったのら。綺麗なお花畑!
それじゃあ、このお部屋の一個だけ変なところ。
それってなあに?
それはリビング真ん中に置かれたおっきなブラウン管モニターの山。 天井すれすれまで積まれて、ぜつみょーにバランスを保っているのら。 そのうち一つが、青と黒に点滅をちかちか繰り返してる。
🦇「な〜んか、すごいヤな感じするんだけど、なにこれ?」
こわい感じがするのにビタが覗き込みにいくからじぇりぃもついてって、でも青と黒しかうつんない。
🌈「わぁ〜ほんと〜なのら… ぴかぴかチカチカしてまぶしいのら……」
ピピピピピピ! モニターへもう1歩近づいた途端、それぞれの携帯端末に着信が入って。
きょうこれ2回目なのら! 非通知設定みたいれ、むーっちゃんこうるさくぴるぴる鳴く。
学園長なのら?それとも保険屋さん!?
🌈「ぎゃ!なになに、何事なのら…!?」
🦇「何!!これゼッタイやばいやつだって…!」

学園長がゆってたのら。 携帯はちょーちょー貴重品だからだいじにしてねって!
学校のみんなは連絡先に入ってるのらから、心当たりがほんとにないのら、こわあい!
?『…Hello?』
▷Andromeda TiTi
脳裏に嫌でも蘇る、海ちゃんのあの笑顔。
可愛いお目目を泣き腫らして帰ってきたさななちゃんに、
可愛い可愛い俺のお師匠さまたるぱふぃちゃん。
思い出す。思い出す。再生ボタンが勝手に押されてく。
強くて憧れの恋クンも、虫さん仲間のオリバーさんも、みんなみんな悲しい顔をしている。
寂しいクラスのみんなをハッピーにしたいのに、俺がもっと頑張れていればよかったのに。
そしたらメイちゃんに、あんな寂しい顔はさせなかったかもしれないのに。
後悔ばかりがつのっていく。 学園長さまだって偉大なお方で、
きっと同じように怒って、悲しんでるんじゃないかなって思うのです。
だからきっと少しピリピリされているだけで、俺はこの感情を奴らにぶつけてやりたくって。
ふつふつとおでことか、顔のあたりが熱くなっていく。
心なしか呼吸も荒くなっていって、それで……
🪞「ティティせんぱい。
ここにいたのねえ。 一人じゃ何かあったとき危ないでしょ、わたしも同行させてくださいなあ」
🍗「メルちゃん…?それじゃ、他のお二人でA棟を?」
🪞「そうなったよう。ちょっとでもお手伝いさせてくださいなあ、
体は大きいけどおじゃまはしないよ。 …だいじょうぶ?」
ほんの少し、メルちゃんの姿が見えてホッとした自分がいて。
🍗「気をつけてね…なんだかホント、気味悪いからここ。慎重にみる必要がありそうですね。」
B棟は比較的先ほどのA棟より建物は損傷が少ないかわりに、
下水管が破裂したみたいでひどい匂いがして顔を顰める。
…あれ、何か聞こえた様な。
🪞「上の階…でしょーか。 生きてて害のない民間の方だといーんですけどねえ」
微かに、くぐもったような音で響いているその音。
会話のように連続していると思えば凪ぐように静かになって、
まるでお夕飯時に共用部の廊下を歩いているような誰かの気配がそこにはあった。
🍗「606…ここからですね。」
🪞「…声が何のものかわからない、注意して行こうねえ。ドア、わたしが開けよっかあ」
扉を開ければ、電気はついておらず 玄関から伸びる廊下の向こう、すりガラス越しに影を見た。
あれは人?あるいは洗濯物の山、大きなテディベアかもしれない。そうだと素敵なんですが。
頭の触覚がいつもよりへなへなになっている。
鳥肌がたちつつも、辺りを見渡した。リビングの他に気配は今のところないみたい。
🪞「救助者なら連絡を。 手に負えなさそうなときも、すぐ連絡を」
すりガラスの引き扉を開けて、それまでの悪臭は前菜とでも言うようにメインディッシュが香った。
それは嫌でも知っている臭い。
リビングに座っていたのはキメラのぐろっきーず2体だった。
ああ、お前たちを喰らうのは美味しくなさそう。
どちらも似たような背格好で、大きな猿に腹から虫のような脚が生えており
既存のぐろっきーずのように脳が露呈している。
が、何よりも特筆すべきはその行動。
奴らこちらには目もくれず、聞き取れない会話のような発声を交わし、
時には笑い時には相槌のように返事を返し、テーブルに着席していた。
なんて行儀のよくっておぞましい光景だろうか。
彼らはもしかして言語を手に入れているの?
🪞「……今のところ攻撃の意思はないみたい?
それならちょうどいいねえ、簡単に無力化できるならうれしいんだけどお」
さっきまであんなに燻っていた怒りが、水をかけた様に困惑に変わって反応が遅れて。
滲み寄ろうとした途端に、彼らは初めてくるりとこちらを凝視し会話を中断した。
頭に納められた4つの眼球、 2匹合わせて8つの大きな瞳。
随分人ともモンスターとも掛け離れたそれらは椅子から立ち上がりこちらに向かおうと、
したところで。
一方は砂と溶け もう一方は、ヘドロのようなスライムを捻出して床に腐乱した。
🍗「何なのコレ、何だか様子が変です…!
今までとは違うのでしょうか。こんなにはやく済む訳が……」
見つめて、睨んでももうそれは動かなくって、でも眼が離せず。
意味がわからない、意味がわからない、意味がわからない…
🪞「……変な現象だねえ。何が原因かわからない以上、これもあとで報告しておこうねえ。
時間が経ったら再生するとかあ、これから襲いかかってくるとかあ、
考えられる可能性はいっぱいあるけど……
どうするう?しばらく見張っとく?ドア、打ち付けとくのはどお?」
少しドキドキしている心臓と、緊張から解き放たれて呼吸を落ち着ける。
吸っても吸っても臭いのだけど。
🍗「メルちゃんは大丈夫ですか?まだ何もしてないし、されてませんが…。
ええ、ちゃんと報告しましょうね。ドア…やっちゃいましょうか。まだ気は緩めませんね」
🪞「うん、へいき。 おまえも……なにもされていない、でいいんだねえ、よかった。
それじゃ一回ここは出ようかあ。 あ、これとかドアの前に置いといてもいいかもお?
なんにせよ腐ったままでいてくれるならいいんだけどねえ」
そういってメルちゃんはひょいとソファーを持ち上げて、俺はこっちの食器棚にしましょうかね。
そうやって廊下にバリケードのあかちゃんをつくる。
落ち着かなくちゃ、動揺して反応が遅れたのも あの瞬間に襲われてたら危なかったかも。
冷静に、安全に。
🪞「探索を続けようかあ。生存者、いるといいねえ」
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▷甘雨じぇりぃ
?『…Hello?』
くぐもった男の人の声。 少なくともてぃてぃのじゃないのら、
あれ?もしかして聞いた? んーと、もしかしててでぃなのら?
🦇「ハロー!?オマエだれ?なんか用!?」
🌈「はろ〜?」
そいえばみんなの前で話さないでねって言ってたから、知らないふりのがいいのら…?
でもビタもてでぃって子がいること知ったらびっくりするらろうなあ。
🛜『…答えてよろしくしてる時間がねー。テレフォンカードはレアなんでな。
それより早くその部屋から出ろ、ソイツはNPC共のスポーンブロックなんだよ』
🦇「は?テレフォンカード? スポーンブロック?なにそれ?ちょっと!」
ぶちん!てでぃきっと受話器投げたのらね、置くとこのスイッチ押してからもどすのらよ?
じぇりぃ学校で教わったのら〜… あ行ってないってゆってたのら。今のなし!オフレコのら。
そしたら間髪入れずに、モニターからなんか音が流れ始めるのら。
ぼんやりしてるけろ…ぜんぶに映ってるのは、学園長?
バグってるみたいな画面でよくわかんないのら。
🧬?『諸君___聞こえるか_____こちらはPity kitty high school_____応答せよ_____』
🧬?『この部屋で___調査を______ 奪還______戦闘_____速やかに________』
🦇「ヤバ!」
じぇりぃたちを呼び止める様に、音声がどんどん大きくなってく。
音声に応じて画面が点滅する。
🌈「?…がくえんちょ…? …わっ!ぎゃ〜なのら〜!」
ビタのコイツらたちがぐん!ってじぇりぃのこと引っ張って、逃げなきゃ、変だって思いつく。
扉にむかって走り始めながら振り向いたら、モニターからは無数のおてて?
ううん、クマさんとかワンちゃんとかタコのおててとかも見えるのら!
ジャパニーズのホラーのら〜〜っ!!!
廊下へ飛び出して、ビタが翼を全開にして玄関扉を押さえてる、もう追いかけてこよーとしてるのら!?
🦇「じぇりぃ!!2人に早く電話…っ!!俺怪力のモンスターじゃないからね、はやくはやくはやく!!」
🌈「のららら…!!も、もしもし! てぃてぃ!?しめる!?きんきゅーじたいなのら、
なんかいっぱいぐろっきーずみたいの出てきたのら!!」
🍗『…!!すぐ向かいます、無事でいてくださいね』
🦇「ンむ〜〜っ………むり、むり! 逃げつつ戦闘!援護頼んだ!」
ビタはそーいうとコイツらくんたちに扉を一瞬まかせて、階段のほーへ走り出すから後を追う。
影になって霧散したあと、どぱ!!と扉から生き物たちが溢れ出した。
じぇりぃ戦いに向いてるワケじゃないけろ、日々授業はがんばってるのれす。
例えばこの技! むむ〜っ!って体を伸ばしてゆかにぬるぬるを浸してー
歩けないしずっといると溶けちゃうよこーげき!なのら!
ビタはあしの爪で蹴って切ったり、
コイツらくんたちをロープみたいに足元にはって転ばせたりしてたたかってるのら、
でも2人ともちょー戦う派!じゃないのら、いつまでも相手できないのらよ!
狭くていちほーこーから来る廊下だからなんとかなってるらけれ…
ってゆったら、後ろの部屋からもどぱっ!てなったのら!
スポーン?のやつ、こっちにもあったのらね!?
🌈「ビタ、やべ〜〜のら!! 階段がつかえないのら…!!ほみゃ!!!」
ばき!ってハイエナと鳥さん?のぐろっきーずに体当たりされて、いたいのら!
そゆことするおともだちはいやなのら!!
…っていおーとして、きらきらのよだれとキバが顔のすぐそばをガチン!ってして血の気がひいてく。
そしたらひょいってハイエナドリぐろっきーずが宙に浮いて、ほんとはしめるが持ち上げていた。
🪞「おそくなってごめんねえ。 …おまえ、お友達に噛み付くの、やめてね」
ちーんしたティッシュでも投げるみたいにぽ〜いってバルコニーから落ちていって、
中庭におっこちてく。 羽はちっちゃすぎて使えなかったみたいなのらね。
🍗「よかった、ご無事ですね…! 複数のお部屋から出てきているみたいです。
多勢に無勢ですから一度退きましょう!」
🌈「…?なんかあんよが濡れてるのら?」
🪞「ああ、他の部屋を探索してたらお水がたまってたの。
せんぱいが濡れないよーにわたしは持ち上げたからだねえ、ひょいって」
🍗「それじゃあ、各自警戒しながらバスまで戻りますよ。
一度体制を整えるなりして状況を整理するべきです」
🦇「あー、大賛成!それじゃオレはひょーいって飛べるから、偵察しつつナビってこよーか?
ってその前に話したいことある!意味わからんイタ電がきてさあ」
🌈「そうそう、スポーンとかテレホンとかゆってたのらね。帰ったら聞いてみるのら?
てでぃは物知りさんのら〜…」
あ。言っちゃった、のら?
🍗「てでぃ…?お友達ですか?」
🌈「えっと、違くて、えーーっと… おうちのテディベアのことなのら!!」
🪞「…?お部屋にクマさんのぬいぐるみなんてあったかなあ、ユニコーンならみたことあるけど」
🦇「まって、じぇりぃアイツのこと知ってたの?なんで教えてくんなかったのそんな事。」
じわりじわり汗がにじむ、ちがうの、秘密にしててねってゆーからなのら、
だってそうやってゆってたからのら!
でもなんだかそんなことを言い出せなくって、喉元で言葉が詰まる。言い訳みたいなんらもん。
🦇「…ま、いいけど…… こんな状況なんだからさァ、なるべくおしえてほしーけどな」
ああ、ちがうのらビタ、そーゆーことじゃなかったんらけろ、そーなっちゃったのは事実なのら。
🌈「ごめんのら…じぇりぃも出るちょっと前に初めましてしたのら、
帰ったら今度は一緒にまたたずねてみよーのら、ね?」
気の合うしんゆーなのに。さっきまで、戦ってて気の合う2人らったのに…
🪞「お話は済んだ?ごめんね。帰ったらゆっくりわかるまで話そおよ。
今は、ここから無事にみんなで帰るのが優先だよ」
🍗「行きましょう。俺が先頭に出るので、じぇりぃちゃんは中に。メルちゃんは殿をお願いできますか」
警戒しながら階段へ。どぱ!したのはさっきの2部屋らけみたいのら、
でもこれからどの部屋からも来る可能性があるって考えると怖いのらけど。
いや〜な危機一髪なのら!
じ〜って廊下の窓をみながら走ってくのら、
数メートル先の角部屋の窓。なにか光った気がした。
🌈「てぃてぃ、あぶないのら!!」
▷キャラクタ気絶の為、プレイヤーを変更します。
▷Andromeda TiTi
じぇりぃちゃんが飛び出して、敵との壁になって。
窓から出てきた大きなクマのぐろっきーずが、ぷちりと彼女を潰している。
🍗「……っっ!!!」
落ち着いて、冷静になっていたはずの熱が火花を切った様に弾ける。
めきり、本来の俺があるまじき魔物の口が目の前のジビエにかぶりついて。
スライムみたいな彼女をぺりりと剥がしたら、大きな口で残すまいと繊維を噛み切って、
骨を吐き出す。 運がいい。お前の味は悪く無いみたい。
ああ嘘!露呈していた脳みそは乾燥し始めていて最悪の味。
それでも頭部の半分を失って、まだ動いていられないでしょう!
お部屋にはまだぐろっきーずが残っているみたい、
お前たちもお夕飯になりたくないなら下がっていてよ!
「くすくす」「ふふふ」「あはは」
…? 何、なんなの?
話している。笑っている。 手に入れた言葉で、
窓という窓からぐろっきーずがこちらを笑っている?
何を?彼女を?
🪞「じぇりぃせんぱい!…まだ生きてる。
せんぱい、行きましょう!もう降りてしまったらいいですよう、」
後輩の声も微かに聞こえる、なんて言ってるのかしら。
でもあれをどうにかしなきゃ。 何がおかしくて笑っているの、やめて、やめて!!
🍗「全員味見してやるから…!!!」
視界にお星さまがちらついている。おかしい、まだ夕方のはずなのに?
でもきっと早く舞台袖からでてきてしまいたかったのね。
いっしょに喰らい尽くしてあげたら、ぱちぱち舌の上で弾けていて美味しいかも。
でもお星さまを食べ尽くしたら、夜がまっくらになって泣いちゃうかもしれません。いいえ、誰が?
わからない。いっぱい食べたいのです。
はしたないけれど、こんな量のフルコースはさすがの俺でも顎が外れてしまいますから、
少しずつ的確に美味しい致命傷になりうるところを。
宇宙のぜーんぶ、害なす物全部、俺が食べ尽くしてあげますからね。

俺が頑張れば、きっとみんなが怪我することなく帰れるのですから!
🦇「だいじょーぶ…!?じぇりぃだけなら、頑張りゃ抱えて飛べるかも。
先に連れて行こうか。ゴメン偵察役に立てなくて… ティティくんどしたの…?!」
🪞「わかんない、全然聞こえてないみたい。どうにかできないかやってみるけど…
あ…じぇりぃせんぱい、頭をうってるかもしれなくって状態がわからないから
やさしく連れていってあげてねえ」
🦇「わかったけどォ… 確かティティくんって食べすぎると倒れるっしょ。
その時返り討ちされないよーに、たすけてあげてね!そんなわけで運んでくる!そーっと、そーっと…」
🦇「じぇりぃ、さっきヘンになっちゃってごめんなあ。
怒りたかったワケじゃないんだって。はやく起きろよな〜……」
🪞「やってみる。きっと連れてくから」
…視界がぐるぐる、お星さまはもうメリーゴーランド!
みんなにも見せてあげなきゃ、あれは銀河系かしら。バターに似てる、けど地面が揺れてる?
じゃあペーパーナイフをとって。じゃなきゃ消化器を投げますよ!ぶしゅーー!!!
違う。俺ははやくぴか高に帰らなきゃ、みんなを無事につれていくの。
この味はとっても美味しくて好み!二口目から革靴みたいな風味ですが。
触覚がなにかで濡れている、頭から潜り込んだらはしたないからですね。
でもこうしないと心臓まで届かない!
揺れているのは地面じゃなくて手指ね、それでは肩を抑えているのは何?
口に入れたらわかるかしら。うーん、いちご大福みたいな味。
🪞「せんぱい、おちついて、 おねがい しますから!」
美味しい。違う、視界がほんのすこしクリア。これはメルちゃん?
揺れている。コーヒーカップに乗った後みたいな気分。
ぐろっきーずの血溜まりに俺と可愛い守るべき後輩が映っていて、
かき混ざった水槽の底へ金魚が落ちていくみたいに鏡の中へ落ちて、苦しい!
俺はあんなゴム肉と間違えて、この子を齧ってしまったのでしょうか。
無くし物に気付いたみたいに不安になって、泣き出してしまいそう。
おかしいですね、俺はこんなに浮き沈みの激しいモンスターなのでしたっけ。
でも悲しくって恥ずかしくって逃げ出したいのにお腹がすいているのです。
食べなきゃって何かが囁くのです。
身体中が駄々をこねる様に震え出す。
明らかな悲鳴、キャパオーバー?違う。拒否反応?似ている!
🍗「メルちゃん、ごめんなさい…俺、おててと、あなたのこと、傷つけて あんな姿までみせて…」
大きな魔物の姿、食べることだけを追い求めた姿からしゅるりしゅるりと縮んでいく。いつもの195cm。
床が冷たく無いのはお腹のなかの彼らのおかげで、でも寒い、息を吸って吐くたび中身が一緒に着いてきそう。
くるくる。お腹の音? それとも俺のおめめから鳴っているのですか?

あと何回瞬きができるでしょうか。その貴重な数回でマスカラがしたまつ毛とキスをしてしまって、
お師匠さまに良い下地を聞きたかったことを思い出しました。
もう口の中は鉄の味しかしなくって周りの血がへばりついて固まり始めていたので、
最後に笑いかけることもできませんでした。
ごめんねじぇりぃちゃん。きっと貴方のせいじゃないから、俺が勝手にこうなってしまっただけですから。
でも想えるお友達がいっぱいいながらお星さまになれるなんて、幾許か素敵なことかもしれないですね。
俺はぴか高のクラスが好きでしたから。俺もここにいたかった。いて良いと思えたから。
あの時もこんな気持ちだった?海ちゃん。
▷キャラクタロストの為、プレイヤーを変更します。
▷沈香堂凍メル
もうこんな気持ちはほとほと嫌よ。そう思ったし、しないって決めたのに。
せんぱいが齧ったお肉。クマさんのやつの、多分頭部のどこか。
明らかに他のと匂いとか、何より食べた直後の様子がおかしかった。
調べてもらおうと思って耳をちぎって、残りは邪魔だからぽいしたよ。
ティティせんぱいを見つめて、アムちゃんとのことを思い出して。じぇりぃせんぱいのことだって心配だ。
あなたが守れなかったと落胆して自分を責めて背負い込んでたみたいな気持ちが、
わたしにも少しあるの。だから今日、せんぱいのことが心配で。みんな手からこぼれ落としてしまった。
ねえじぇりぃせんぱい、アムちゃん。
わたしが大きい体を与えられた理由って、
きっとかわいいおまえたちをだき しめる ためだったと思うの。

おんなじ部屋で過ごしたふたり。 毎日お泊まりパーティーみたいで、
隠してるはずの視界がきらきらしてた。
一緒に訓練してコンビネーションばっちりのアムちゃんも、
おそろいしてくれて楽しいこといっぱいのじぇりぃせんぱいも。
頑張り屋さんで素敵なせんぱい。 いっしょにお茶を飲んでくれたおともだち。
可憐で綺麗で憧れのお姉さま。知ってた?わたしあなたのまえでタバコはよしてたんだよ。
あなたのことがだいすきだから。ねえ、リリィせんぱい。

待って、おんぶの前に。 …目を剥いたまま連れて帰っちゃうほうが、
きっとてれちゃうかなあって思って瞼をとじる。

せんぱいが眠っている。…わたしも帰って眠りたいな、ああ、本当に睡眠の意味でだけど。
拾い上げて、お姫様抱っこだと彼はずかしがるかなあ。
おんぶにした。肩車は安定しなさそうだものねえ。
帰ろう。 きっとメイが、もっと静かになっちゃうだろうけどね。
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