

Pity kitty high school
午後の授業の為、体育館に集まったモンスター科の生徒達。
だが待てども待てども学園長である愛沢・ぺてぃ・らびぃは現れません。
そこでぱふぃの提案により授業内のペアに分かれ、 学校内を探索することになりました。
このページで探索するのは「音楽室」です。
------------------------------------------
大きなグランドピアノ、後ろに貼られたたくさんの肖像画、ぴかぴかに磨かれたフルオーケストラの楽器たち。
部屋は整頓されていないわけではないが、楽譜や譜面台も所狭しと置かれている。
そういえば吹奏楽部も存在していたはずだ。
そして昼休みに使用していたのかもしれないが、だとしたら随分行儀が悪いらしい。
サナナ・ネヲルは沢山のお顔が並んでいる肖像画。
そのどれも有名なモーツァルトだかバッハだかの錚々たる顔ぶれだが、
何故かどれもいまいち解像度が荒い。例えるなら、144pというかんじだ。
💘「え~っと…こっちがドビュッシーで、あっちがブラームスだね!
でもでもさあ、この人達いっつもしかめっ面でちょっと怖いよね…
ほら七不思議かいだんあってあったじゃない?目が動く肖像画!お決まりだよね」
🐱「もぅせんぱい…!変なこと言わないでください……
うぅ、全部がブキミに見えて来る…ピアノとか急に鳴りだしたりしないよね…」
ふざけるような声色でそう愛沢が冗談を口にすると、
サナナはヴルコで自らを覆いながら薄目で答えた。
突然、スピーカーから耳をつんざくような大音量で
「こんにちは〜〜っ!リンベルだよー!へへっ、ねえこれ、ほんとにみんなに聞こえてるのかな?アムもなにかしゃべってみてよー!」「うえっ!?ええっと…ええっと…ア、アム…だけど……うう゛…」
…と声が聞こえてくる。2人はどうやら放送室にいるようだ。
「おもしろいねぇ、これは音楽?」
Ring-Bellの声のあとにカチャカチャと機材をいじっているであろう音が聞こえると、
突然その爆音でぴか高の校歌が流れ始め、 「ぎゃあー!うるさい!」彼女がそう言って、BGMは停止される。
「あ~…そうだ、学園長〜もう午後の授業の時間とっくにすぎて…ます…」
それを最後に、スピーカーは沈黙した。
💘「きゃ……!も、もうあの2人ったら!勝手に流しちゃダメだよう…
怪談系のびっくりじゃなかったからいいけど。
それに放送室にママは居なかったってことがわかるねえ、あ〜んママほんとにどこいったんだろ?」
🐱「ヒャ"ッ!?……全然良くないし…ゔ〜、早く体育館戻りたい……」
💘「何かあればぱふぃちゃんが守ったげるから、もーちょっとだけ探してみようね。
お疲れだったら休んでても平気だよ!ぱふぃちゃん色々見とくから!」
🐱「あ〜待って…一緒に行きます……」
泣き言を言いながらもついていくサナナを横目に、愛沢は大きな黒塗りのグランドピアノへ向かう。
鍵盤蓋の裏にはカラフルなステッカーが所狭しと貼られていた。
軽く鍵盤を叩けばぽん!としっかり調律された音が音楽室に響く。
何らおかしなところはない普通のピアノだ、
音と共に中からグミやキャンディーが飛び出してくることを除けば。
そのパステルカラーなお菓子をヴルコがキャッチし、そして器用に口へ運んだ。
🐱「…ナイスキャッチ、ウチちょうど甘いの食べたいキブンだったし、食べちゃおかな…」
💘「いいねえ。お昼は済んでるから…デザートだ!
ぱふぃちゃんイチゴ味が出るといいなあ、出ろ!出ろー!きゃは!」

そう言うとアップテンポに猫踏んじゃったがピアノから流れ出した。
その長い爪でよく弾くものだ。
🐱「...えへ、お腹すいたときのためにもいっぱい取っておこ。あ、イチゴはぱふぃせんぱいの分...」
💘「ありがとー!ぱふぃちゃんもお菓子回収しとこ~っと。
えへへ…これで休み時間お腹すいても平気だね、いっぱいでたから他の子におすそ分けしてもいいかも!」
ゆらゆらとリズムに乗りながらも、しっかりそのヴルコはティッシュに包まれたお菓子をしまっている。
次の瞬間、ギュイーン!とカッコイイギターから始まる、ロックバンドの曲だろうか。
先程とは違い丁度いい音量でBGMが放送され始めた。
🐱「わ、またなんか始まった…今度は何〜…?」
そう戸惑っていると、きんこんかんこん...と授業終了のチャイムが鳴った。