

Pity kitty high school
午後の授業の為、体育館に集まったモンスター科の生徒達。
だが待てども待てども学園長である愛沢・ぺてぃ・らびぃは現れません。
そこでぱふぃの提案により授業内のペアに分かれ、 学校内を探索することになりました。
このページで探索するのは「保健室」です。
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年季は入っているものの、清潔なベット。カラフルで中身はよくわからない薬品棚。ピンクに塗装された身長計。
湿布のような匂いがほんのりしてもなぜだか不快にならないこの部屋に、2人は来ていた。
🍥「ビタ先輩と一緒に冒険できてうれしいです!あ、身長計…前の身体測定より伸びましたかね…」
前回の身体測定は4月、つまり入学したてのつい最近に行われたものであまり期間は経っていないが、
一縷の希望を捨てずちょん!と靴を脱いで星砕とわりが起立板へ登った。
🦇「え〜俺もとわりちゃんと一緒で嬉しい〜
え〜っと…150cmぴったり!どう?のびてた?」
🍥「……まあ、2年生になったら急に凍メル先輩くらい伸びるかもしれないです!成長期!」
すすーとビタが横規を下げるも、あまり結果はふるわなかったようだ。

するとチン!と軽やかな音がして横に置いてあった膝丈くらいの箱からツツーと紙が吐き出された。
名前と今さっき計った身長の数値が記入されており、
よく見れば体重計や座高測定器なんかにも同じような箱が設置されている。身体測定が可能なようだ。
🍥「わ、なにか出てきましたね。…私の名前と身長?が書いてあります。
先生なしで健康診断ができるんでしょうか。」
🦇「楽しそうだしやっちゃう!?」
ノリノリのビタに乗せられて、星砕とわりも部屋を見回し次の測定器具を探した。
🍥「むー、どれにしましょう。…あ。最近キャンディ食べ過ぎなので体重計はまた今度がいい、です。」
🦇「そう? じゃあこれしよ!握力測るやつ!」
彼はきょとんとして反応するも、すぐにぽつんと置かれていた握力計を指差した。
メモリの上にはメモが貼ってあり、「限界を超えて壊すの禁止」と書いてある。
よく見れば至る所にヒビやテープで補修された跡がある為、
過去に生徒が力みすぎて壊してしまったのだと伺えた。
🦇「オレそんなに力強くないし!全力でやっても大丈夫でしょ!」
丁寧にフラグを建設しておきながらもぎゅーっと全身の力を拳に込めようとするビタ。
星砕とわりはモンスターの情報に興味津々なのか止めもしない。
だが握力計に軽く力を込めたその瞬間、持ち手が折れて針がびょーん!
と飛び出して行き壊れてしまった。元々の損傷が大きかったのかもしれない…。
🦇「ありゃりゃ。壊れちゃった。…これどこに隠す〜?」
🍥「わ、どうしましょう…」
すると突然、スピーカーから耳をつんざくような大音量で
「こんにちは〜〜っ!リンベルだよー!へへっ、ねえこれ、ほんとにみんなに聞こえてるのかな?アムもなにかしゃべってみてよー!」「うえっ!?ええっと…ええっと…ア、アム…だけど……うう゛…」
…と声が聞こえてくる。2人はどうやら放送室にいるようだ。
「おもしろいねぇ、これは音楽?」
Ring-Bellの声のあとにカチャカチャと機材をいじっているであろう音が聞こえると、
突然その爆音でぴか高の校歌が流れ始め、 「ぎゃあー!うるさい!」彼女がそう言って、BGMは停止される。
「あ~…そうだ、学園長〜もう午後の授業の時間とっくにすぎて…ます…」
それを最後に、スピーカーは沈黙した。
爆音に驚いたのか固まり宇宙猫になる一方と、楽しそう!とワクワクしている一方。
🍥「…い、今のって、ベルちゃんとアム先輩の声…でした、よね?びび、びっくりしました…」
🦇「え〜!超楽しそうじゃん!オレたちも乗り込む?」
ワクワクウキウキで窓を指さす彼。強引に外からダイブを試みているようだ。
🍥「えっ、わ、私飛べないんです…!」
🦇「へーきへーき!とわりちゃんぐらいなら抱えて飛べるよ!」
そっととわりの手を取って、ビタは大きな黒い翼を使って重力に逆らっていく。
🍥「わ〜〜!?飛んでます!飛んでます!すごいすごい!」
きんこんかんこん。
そんな授業終了のチャイムが鳴っていることも忘れて、2人は窓から飛び立っていった。